2022年3月28日、国土交通省から東京メトロ有楽町線の豊洲駅〜住吉駅間の延伸の免許が下り、予定では2030年代に開通をする見込みが立ちました。
江東区内の鉄道交通は都心方面への「東西方向」の利便性はJR総武線・都営新宿線・東京メトロ東西線などが充実していますが、「南北方向」の移動に関しては、江東区の西端を通る都営大江戸線のみとなり、区の南北へ移動するには「バス移動」が必要です。
しかし、この東京メトロ有楽町支線が開通すると「豊洲駅〜住吉駅が約9分」で移動が出来るようになり、江東区内の南北への移動がとてもスムーズになります。
現在はこの駅間を鉄道で行き来する場合は、東京メトロ半蔵門線・都営大江戸線と「2回」の乗り換えを行わないと移動ができず、20分〜30分以上時間が掛かります。
この乗り換えを行わずに移動ができることになれば、豊洲駅から住吉駅間の移動が劇的に良くなり、沿線の不動産開発の活性化に繋がります。
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江東区の南北移動の改善:東京メトロ有楽町線延伸
有楽町線延伸は「江東区民」にとっては悲願でした。江東区は令和4年5月の時点で人口が「528,399人」となり、人口密度は13,000人/km2を超えています。
江東区は東京23区の中でも8番目に多い人口となり、50万人を超える人口が密集する過密都市です。
江東区の課題は、今まで都心方面を繋ぐ「東西方向の鉄道」はありましたが、現在まで江東区内を「南北に移動ができる鉄道は江東区の西端にあたる都営大江戸線の一部しかありません」
江東区内の南北への移動は「都バス」を活用している状態であり、路線によっては5分〜10分に1本と常にバスが発着しておりますが、どのバスもとても利用者が多く混雑しています。
東京メトロ有楽町線の延伸は、江東区を南北に通る都バスの混雑緩和が期待でき、道路交通渋滞を考えることなく移動ができる手段となります。
東京メトロ有楽町線延伸による既存駅間の時間短縮
有楽町線が延伸を行うと下記のような駅間の時間短縮が見込めます。
駅間 | 時間短縮効果 |
豊洲駅〜住吉駅 | 約9分 ※2022年時点では2回の乗り換えで約20分以上 |
豊洲駅〜押上駅(スカイツリー前) | 約15分 ※2022年時点では2回の乗り換えで30分〜40分必要 |
この有楽町線延伸が完成すると「池袋・永田町・有楽町方面からの有楽町線が乗り換えなし」で「押上(スカイツリー前)」などの観光地に行くことが出来るようになります。
また豊洲周辺は近年発展が著しく、豊洲市場やゆりかもめ豊洲駅があり、臨海副都心の入口の一つとして機能しているため、東京都・江東区・東京メトロにおける豊洲駅の重要性が増します。
豊洲は商業地域もあれば、高層マンションなどの住宅も数多くあり、今後も高層マンションなどが計画される地域のため、ますます利用者数が上がる駅の一つです。
※2020年時点の東京メトロホームページでは「豊洲駅は有楽町線単独駅でありながら、全体7位:1日に14万人以上が利用をされています」
日本一の混雑路線:東京メトロ東西線の混雑緩和効果
日本一の混雑路線として以前より有名だった路線が「東京メトロ東西線」です。
この路線は千葉県で最も利用者数が多い「西船橋駅」から、東京都心部(日本橋・大手町など)を通り中央線「中野駅」まで至る路線です。
ラッシュ時には「西船橋側はJR総武線津田沼駅」まで、「中野方面はJR中央線三鷹駅」までJR線内を延長運転します。
この東西線の最も混雑率が激しいと言われる「木場〜門前仲町」の混雑率を20パーセント減らすことができると言われております。
現在の東京メトロ東西線は西船橋駅から門前仲町駅までの間に乗り換えが可能な駅はありません。
この現状が最も混雑理由と言われる東京メトロ東西線ですが、有楽町線延伸によって乗り換え駅となることが決定している「東陽町駅」で乗客が分散されるため、上記の効果が出ると言われています。
江東区沿線の人口増加に期待・沿線の活性化
新線や新しい駅が出来ると、その周囲の人口が増加傾向になります。
東京都内で比較的新しい交通手段として開通した路線は「日暮里舎人ライナー」は2008年の開業時に「48,943名だった一日平均乗車人員は、2019年には90,707名と倍」になっています。
そして現在では首都圏の混雑路線の上位に「日暮里舎人ライナー」は常にあり、「人口が密集する東京都区内における新線開通の効果」は他の都市と比べ遥かに大きな効果があります。
日暮里舎人ライナーは首都圏屈指の混雑路線となっており、本数の増強などの改善が最優先で求められる路線となりました。
ちなみに2008年からコロナ前の2019年に掛けて、東京メトロは3.2倍、都営交通は2.3倍に利用者が増加となっています。※日本財託グループホームページより
新規路線は開通までに時間が掛かり、工事費用も膨大なものになりますが、これからも日本の人口が集中する「東京都区部」の場合は新路線の経済効果は工事費用を十分に上回ります。
新線建設は人口が急増し、地域の地価も上昇するため、江東区有楽町線延伸沿線は今後も注目するべき地域の一つです。
江東区全体の地価上昇可能性がある
地下鉄駅ができ、便利になるということは「その周辺の地価上昇」が起こる可能性が十分あります。
既存駅も「乗り換え駅」となり、利便性が高まり、周辺人口が増えるため、開通する路線沿線全体の価値が上がります。
有楽町線延伸時に設置される駅は「5つ」の予定です。
- 豊洲駅(既存駅:有楽町線)
- (仮称)枝川付近:新駅
- 東陽町駅(既存駅:東西線)
- (仮称)千田付近 :新駅
- 住吉駅(既存駅:半蔵門線・都営新宿線)
上記の駅が新設される予定です。
特に江東区枝川付近はまだまだ工場・倉庫が多い地域のため、有楽町線が延伸され駅が設置をされると大規模再開発が行われる可能性があり、沿線の不動産に注目が集まります。
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東京都内:鉄道新線計画
日本全体では人口減少が始まっておりますが、東京都は依然として人口が増えている現状があります。
現在も鉄道の新路線・延伸計画が進んでいる地域も数多くあります。