東京都は現在都内全域で交通の弊害となってい鉄道踏切の解消を目指しています。
そのうちの一つが「京王線の高架化事業」であり、現在京王線「笹塚駅〜仙川駅」間の約7.2キロメートル間にて工事が行われています。
この区間の踏切を解消することで、交通渋滞を解消し「京王線駅前の再開発」を推進することができ、沿線の開発・不動産の価値向上が見込めることになります。
道路と鉄道が交差する踏切は、思わぬ人身事故などが発生する可能性が高く、事故発生時に円滑の鉄道運行の損失となります。
特に東京都を中心とする首都圏の鉄道は「鉄道事業者同士の直通運転」が多く、事故が発生すると乗り入れ先の他社の鉄道路線にも影響が起こります。
また「鉄道と道路の立体交差化」は周囲の回遊性を高め、その沿線や街の分断の解消、活性化に繋がる計画となりますので、東京都は積極的に鉄道と道路の立体交差化を進めたい考えがあります。
京王線は沿線には住宅地が広がり、新宿と東京都のベッドタウンを繋ぐ利用者が多い路線のため、円滑な鉄道運行と地域の駅前を中心とした街の活性化が求められているため、踏切を無くし高架線・高架駅に置き換える計画が進められています。
【このページでは現在高架化・高架駅化が行われている京王線:笹塚駅〜仙川駅間の詳細を紹介しているページとなります】
【京王線高架化事業:笹塚駅〜仙川駅沿線周辺:不動産投資・不動産情報・オフィスビル参照リンク】
京王線高架化笹塚駅〜仙川駅」連続立体交差事業 概要
事業区間 | 京王線「笹塚駅〜仙川駅」 |
総距離 | 約7.2キロメートル |
事業着手年度 | 2013年度 |
完成予定 | 2030年度 |
構造形式 | 高架式・掘割式 |
対象改良駅 | 代田橋駅・明大前駅・下高井戸駅・桜上水駅・上北沢駅・八幡山駅・芦花公園駅・千歳烏山駅 |
踏切除去数 | 25箇所 |
ホーム | 2面4線「明大前駅・桜上水駅・千歳烏山駅」ほか1面2線または2面2線 |
特急停車駅の主要駅「明大前」「千歳烏山」のホーム2面4線化
現在京王線の特急停車駅である明大前駅、千歳烏山駅は利用者が多い京王線の代表駅ですが、各駅のホームは「2面2線」の駅となり、電車の緩急接続連絡ができない構造になっています。
この各駅のホーム構造は「後続の速達電車が追い抜きができない構造」となるため、電車の運行本数やスムーズな運行の妨げになっており、京王電鉄の課題でした。
他社の特急停車駅を確認をすると、特急や急行の「優等列車の停車駅には複数のホームと線路」があり緩急接続を行える駅が多い中、明大前駅と千歳烏山駅はホーム数が少なく通過線が設けられていない課題があります。
駅の高架化により車や歩行者の交通事情を良くするためだけでなく、電車の運行をスムーズにするための高架化と駅の規模拡大事業となります。
駅前再開発の促進・駅前の活性化
高架化を行うことで駅前や沿線にある程度まとまった土地が空くことになります。
京王線は古くから沿線が宅地化されており、現在でも建物の密集地帯を運行する電車ですが、新たな土地が生まれることで人が集まる施設・駅前の整備を行うことができます。
利便性が高まり、駅周辺の土地価格の向上も見込めるため、高架化事業は沿線活性化にはとても重要になります。
京王線7駅の立体交差・高架駅化
京王線の立体交差事業を行うにあたり、線路だけではなく駅そのものの高架駅化を行います。
笹塚駅の次駅の代田橋駅から千歳烏山駅までの間で「八幡山駅」を除く7駅が対象駅となります。
【京王線高架駅化:対象駅】
- 代田橋駅
- 明大前駅
- 下高井戸駅
- 桜上水駅
- 上北沢駅
- 芦花公園駅
- 千歳烏山駅
上記7駅となります。八幡山駅は上北沢駅と芦花公園駅の間にあり、既に駅自体が高架化されております。なお留置線が芦花公園駅側に2本あります。
緊急時や夜間の電車留置に利用されていますが、一帯の京王線高架化により、この留置線は廃止される予定です。
代田橋駅:高架駅イメージ・駅の規模
駅名 | 代田橋駅(ステーションNo.KO05) |
停車種別 | 各駅停車のみ |
駅の規模(高架駅化後) | 2面2線 |
起点(新宿)からの距離 | 4.4キロ |
代田橋駅は笹塚駅の次の駅となります。
高架化をされると「線路2線・ホーム2面の2面2線」の高架駅となります。
京王電鉄のホームページでは「レンガ調や透明感のある素材を組み合わせることで、近隣の歴史的な建築物や玉川上水の流れを感じさせるデザイン」としています。
明大前駅:高架駅イメージ・駅の規模
駅名 | 明大前駅(ステーションNo.KO06) |
停車種別 | 京王ライナー・Mt.TAKAO号・特急・急行・区間急行・快速・各駅停車 |
駅の規模(高架駅化後) | 2面4線 |
乗り換え路線 | 京王井の頭線 |
起点(新宿)からの距離 | 5.2キロ |
明大前駅は代田橋駅の次の駅となり「京王井の頭線」との乗り換え駅となります。
駅名通り近隣に明治大学があり、学生の利用が多い駅となります。
2面2線の駅の規模ですが特急停車駅となり、ひっきりなしに電車が到着・発車を行っています。
待避線がないため、電車の緩急接続は現状ではできませんが、高架駅化後は「優等電車の緩急接続が可能な2面4線」の駅として建て替えます。
京王電鉄のホームページには「透明感のある素材をリズミカルに組み合わせることで、街の賑やかさと移り変わりが間近に感じられるデザイン」と記されています。
下高井戸駅:高架駅イメージ
駅名 | 下高井戸駅(ステーションNo.KO07) |
停車種別 | 快速・各駅停車 |
駅の規模(高架駅化後) | 2面2線 |
乗り換え路線 | 東急世田谷線 |
起点(新宿)からの距離 | 6.1キロメートル |
明大前の次駅「下高井戸駅」は東急世田谷線との乗り換え駅となり、駅前は賑やかな商店街が形成されています。
高架駅後は「2面2線」の駅となり、下高井戸駅に通過線はありません。
桜上水駅:高架駅イメージ
駅名 | 桜上水駅(ステーションNo.KO08) |
停車種別 | 急行・区間急行・快速・各駅停車 |
駅の規模(高架駅化後) | 2面4線・車庫線2線 |
起点(新宿)からの距離 | 7.0キロメートル |
桜上水駅は過去に京王線の車庫が併設されていた名残があり、現在でも留置線が駅に沿う形で設置されている駅となります。
そのため終点としての設定電車もあり、東京23区内では貴重な車両を留置できる構内の駅です。
桜上水駅が高架駅に建て替えを行いましても、留置線は変わらず設置をされる計画です。
上北沢駅:高架駅イメージ
駅名 | 上北沢駅(ステーションNo.KO09) |
停車種別 | 各駅停車 |
駅の規模(高架駅化後) | 1面2線 |
起点(新宿)からの距離 | 7.8キロメートル |
隣の八幡山駅と600m程度しか離れておらず、各駅停車のみの駅となり利用者も1万人少々の駅となります。
八幡山駅は既に高架駅と高架線による立体交差化が完了しております。
芦花公園駅:高架駅イメージ
駅名 | 芦花公園駅(ステーションNo.KO11) |
停車種別 | 各駅停車 |
駅の規模(高架駅化後) | 2面2線 |
起点(新宿)からの距離 | 9.1キロメートル |
芦花公園駅は2面2線の高架駅となり、現在の地上駅と配線に変更はありません。
千歳烏山駅:高架駅イメージ
駅名 | 千歳烏山駅(ステーションNo.KO12) |
停車種別 | 特急・急行・区間急行・快速・各駅停車 |
駅の規模(高架駅化後) | 2面4線 |
起点(新宿)からの距離 | 9.9キロメートル |
地上駅の2面2線の通過線、緩急接続が出来ない駅の構造から「2面4線」の緩急接続が可能な高架駅に建て替えを行います。
駅の南北に商店街、駅周辺に高級住宅街が広がっており、利用者が多い駅となります。
高架化事業は鉄道の交通障害による機会損失を防ぎ、地域活性化に繋がる
地上を走る鉄道は車や歩行者との接触の危険がどうしても拭うことができません。
交通渋滞も起きあかずの踏切となっている事態が、東京都内だけでも数多くの箇所で未だに起きています。
鉄道の高架化は莫大な費用と事業化までに十年以上も掛かることが多いですが、それだけ鉄道が止まってしまった場合の経済損失は計り知れないものがあります。
将来を見据え、高架化を行い立体交差を行うことで安全と利益を確保することが鉄道事業者や行政には求められています。
京王線高架化の効果により生まれる新たな土地は再開発・不動産投資などの対象になり、沿線の駅前を中心に開発が行われます。
東京都内の不動産開発・不動産投資は情報が多く、無料登録サイトから情報を得る方法もあります。
【京王線高架化事業:笹塚駅〜仙川駅沿線周辺:不動産投資・不動産情報・オフィスビル参照リンク】
東京都内:鉄道に関する新線・再開発事業
東京都内では鉄道の立体交差化事業・新路線の建設など、まだまだ多くの交通事情の改善が行われています。
日本全体では人口減が始まっておりますが、東京23区を中心とした首都圏では現在でも人口増加が続いており、鉄道の新線・直通運転計画・工事が行われております。