JR北海道・北海道新幹線「新函館北斗駅〜札幌駅」延伸工事:2030年度開業予定

北海道新幹線は現在、新青森駅〜北海道北斗市の新函館北斗駅間の新幹線となり、実質的には「東北新幹線の延長路線」のイメージが強い新幹線です。

現在「新函館北斗駅〜札幌駅間」の工事が進められており、終点札幌駅を含め5駅が予定されています。

このプロジェクトは赤字の運営が続くJR北海道最大のプロジェクトとなり、新幹線が開通すれば札幌と東京が新幹線で繋がり飛行機以外でも行き来ができるようになり、飛行機が運行できない場合のパイパスとしての役割を担うことができます。

飛行機は天候で運行が左右されやすく、悪天候では欠航となることがありますが、新幹線は比較的悪天候に強いと言われており、徐行運転とはなりますが雪の中でも運休になりにくい特徴があります。

JR北海道の鉄道は札幌近郊以外の経営は厳しい現状が続いているため、北海道新幹線の開通により東京と繋がることにより、利用者数が増え経営改善が期待されています。

北海道新幹線の札幌延伸は北海道と首都圏、東北との結びつきが強くなり、北海道の経済、観光、物流の活性化が期待されています。

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JR北海道「新函館北斗駅〜札幌駅」延伸計画

プロジェクト名北海道新幹線「新函館北斗駅〜札幌駅」延伸工事
設置駅数5駅
設置駅新八雲駅(仮称)
長万部駅
倶知安駅
新小樽駅(仮称)
札幌駅
開業予定2030年度(予定)延期の可能性大
JR北海道ホームページより
JR北海道ホームページより

JR北海道の社運プロジェクト「北海道新幹線:札幌延伸」

北海道新幹線「新函館北斗駅〜札幌駅」までの延伸計画は、JR北海道の社運を賭けたプロジェクトとなり、2023年現在工事が進められています。

北海道新幹線は2023年現在「新青森駅〜新函館北斗駅」間で運行が行われておりますが、実質的に「東京駅〜新青森駅間」の東北新幹線の延伸路線となり、東京駅から新函館北斗駅間の新幹線が運行されています。

しかし、現状「新青森駅〜新函館北斗駅」間は利用者数が少なく、北海道新幹線は北海道最大の都市:札幌まで延伸を行わないと利用者数の拡大は望めません。そのため現在、急ピッチで工事が進められております。

札幌駅延伸時の設置駅数は5駅

北海道新幹線:新函館北斗駅から札幌駅までの延伸時には「札幌駅を含め5駅設置」されることになります。

設置駅は新函館北斗駅側より、

  • 新八雲駅(仮称)
  • 長万部駅
  • 倶知安駅
  • 新小樽駅(仮称)
  • 札幌駅

上記5駅となり、新八雲駅と新小樽駅は新幹線単独駅となる予定です。

JR北海道の並行在来線問題

整備新幹線が開業を行うと「今までJRが運営していた並行在来線は第三セクターに運営移管」をされています。

JR北海道の北海道新幹線も例外ではなく、新幹線の並行在来線となる「函館駅〜小樽駅」の間が経営分離をされることが決定しています。

この区間全てが第三セクターの鉄道会社が運営継承を行うのか、一部区間が廃止(廃線)となるかは今後の協議次第となりますが、一部区間が廃止になる可能性もあるため、今後のJR北海道の情報発信には注目する必要があります。

並行在来線の第三セクター移管は1997年の長野新幹線(現在:北陸新幹線)の開業が始まりとなり、その後新幹線開通後に第三セクターに移管されている在来線区間は今日までに数多くあります。

並行在来線が廃線とならずに第三セクターに移管された路線が多いですが、JRが収益が見込めるためそのままJRが運営する場合や、第三セクターに移管されずに「廃線」となった区間もあります。

【全国の並行在来線・第三セクター移管】

元の路線名区間運行現状分離のきっかけ
信越本線高崎駅〜横川駅JR東日本が継続して運営長野新幹線開業
信越本線横川駅〜軽井沢駅廃線長野新幹線開業
信越本線軽井沢駅〜篠ノ井駅しなの鉄道・しなの鉄道線に移管長野新幹線開業
信越本線篠ノ井駅〜長野駅JR東日本が継続して運営長野新幹線開業
信越本線長野駅〜妙高高原駅しなの鉄道・北しなの線に移管北陸新幹線開業
信越本線妙高高原駅〜直江津駅えちごトキめき鉄道・妙高はねうまラインに移管北陸新幹線開業
北陸本線直江津駅〜市振駅えちごトキめき鉄道・日本海ひすいラインに移管北陸新幹線開業
北陸本線市振駅〜倶利伽羅駅あいの風とやま鉄道に移管北陸新幹線開業
北陸本線倶利伽羅駅〜金沢駅IRいしかわ鉄道・IRいしかわ鉄道線に移管北陸新幹線開業
北陸本線金沢駅〜大聖寺駅IRいしかわ鉄道・IRいしかわ鉄道線に移管北陸新幹線:敦賀延伸時(2024年春)
北陸本線大聖寺駅〜敦賀駅ハピラインふくいに移管北陸新幹線:敦賀延伸時(2024年春)
東北本線盛岡駅〜目時駅IGRいわて銀河鉄道・いわて銀河鉄道線に移管東北新幹線:八戸延伸時
東北本線目時駅〜八戸駅〜青森駅青い森鉄道に移管東北新幹線:新青森延伸時
津軽線・海峡線青森駅〜木古内駅JR東日本・JR北海道として存続
江差線木古内駅〜五稜郭駅道南いさりび鉄道に移管北海道新幹線:新函館北斗延伸時
函館本線五稜郭駅〜新函館北斗駅JR北海道
(北海道新幹線:札幌延伸開業時に第三セクターに移管)
函館本線新函館北斗駅〜小樽駅第三セクター移管予定
(新函館北斗〜長万部は第三セクター移管が困難とされるためバス案も検討)
北海道新幹線:札幌絵延伸時
鹿児島本線博多駅〜八代駅JR九州として存続
鹿児島本線八代駅〜川内駅肥薩おれんじ鉄道に移管九州新幹線:全線開業時
鹿児島本線川内駅〜鹿児島中央駅JR九州として存続
長崎本線長崎駅〜武雄温泉駅JR九州として存続(西九州新幹線開業)

JR北海道の並行在来線も分離・もしくは廃線になる区間が出る可能性が高い

北海道新幹線の札幌延伸は良いことだけではありません。

JR北海道が今まで運営を行なっていた在来線が経営分離されることが決まっており、函館駅〜小樽駅の間が対象区間となります。

そのうち「新函館北斗駅〜長万部駅」間は特急以外の鉄道利用者が少なく、第三セクターへの移管も難しいと言われており、配線にし「バスへの移管」も検討されています。

小樽駅〜札幌駅間は利用者が多いため、引き続きJR北海道が運営することが濃厚です。

2030年度の札幌延伸開業は難しい

2030年度の開通を目標に進められておりますが、トンネルの難工事が多く実際には2030年度の開業は難しいと言われています。

理由として、北海道新幹線は長大トンネルが多く、掘り進むこと自体に時間が掛かること、トンネルの途中に巨大な岩石や重金属が含まれる土があり、土の処理に難航しトンネル工事の着工が遅れた区間があるからです。

1日でも早く延伸開通を行いたい希望がありますが、当初の目標であった2030年度の開通は難しい見解が出始めています。

札幌から東京まで繋がれば「北海道新幹線沿線の活性化」「JR北海道の収益改善」が期待される

東京駅:東北・上越・北陸・北海道・秋田・山形新幹線ホーム。
将来札幌行きの行き先も表示される日がきます。

「4時間半の壁」と呼ばれる言葉があり、この時間より所要時間が多い場合「新幹線より飛行機」を使用する方が多いと言われます。

東京から北海道への移動は、ほとんどの場合「飛行機」での移動になります。

北海道新幹線が東京から札幌まで延伸開業を行なっても、移動時間を考えますと「東京都内・神奈川県内」の方は飛行機利用者が多いままと予想されています。

しかし、

  • 悪天候時、飛行機が利用できない場合のバイパスとしての役割
  • 北関東・東北(埼玉県以北)から北海道へ向かう方(羽田空港へ行くより新幹線を使用した方が早くて楽)

上記の方にとっては、北海道新幹線が札幌まで延伸をされることの意味が大きく、北海道へのアクセスが劇的に改善されます。

更に将来計画されている新型新幹線によるスピードアップから、東京から札幌までの所要時間の短縮が見込めるため、利用者を一定数確保でき、北海道新幹線の延伸による経済効果はあるものと考えられています。

2030年以降の話となりますが、早期の実現を目指してほしいです。

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