東京メトロ南北線延伸「白金高輪駅〜品川駅」品川駅に初の地下鉄を建設

2022年3月の国土交通省の発表で「東京メトロ有楽町線:豊洲駅〜住吉駅」「東京メトロ南北線:白金高輪駅〜品川駅」間の工事許可が下りました。

2008年開通の「東京メトロ副都心線」以来の東京メトロの新線建設の見込みとなり、初の品川駅への地下鉄乗り入れも実現する予定です。

この開通によって、今まで品川駅からは確実に乗り換えが必要であった地域「永田町」「溜池山王」「赤坂」などへのエリアに乗り換えなしで移動をすることができるようになり、品川駅から地下鉄での移動所要時間は約10分程度になる予定です。

南北線の開通を見越して沿線の不動産開発・不動産投資などにも影響があると思われます。

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東京メトロ南北線延伸「白金高輪駅〜品川駅」 概要

現在、東京メトロ南北線は「東京都北区:赤羽岩淵駅〜港区白金高輪駅」を結んでおり、更にその先の目黒方面は「都営地下鉄三田線:白金高輪駅〜目黒駅」までを供用して駅設備・線路を使用しております。

目黒駅から先では「東急目黒線」に相互直通運転で乗り入れを行っており、反対側の「赤羽岩淵駅」から北は埼玉高速鉄道:埼玉スタジアム線と直通運転を行っています。

東京メトロ南北線9000系:東京メトロホームページより

白金高輪駅から先の目黒駅方面は複線のみの線路のため、全てが目黒駅方面へ運行することができず、白金高輪駅止まりの東京メトロ南北線や都営三田線の設定が多くあります。

東京メトロ南北線が白金高輪駅から品川駅方面へ延伸することになると、東京メトロ南北線は東急目黒線に直接乗り入れをせず、品川駅方面のみの電車運行を行う可能性があります。

この計画が実現すると「白金高輪駅止まりの電車がほぼ無くなり」東急目黒線方面や品川駅まで直通する電車が増える可能性があります。

品川駅に初の地下鉄が建設される

東京23区には下記6つの大ターミナル駅があり、その中で現在品川駅のみ「地下鉄への乗り換えがありません」

【東京6大ターミナル駅】

  • 東京駅(東京メトロ丸ノ内線・東京メトロ東西線)※東西線は大手町駅だが、JR東京駅との乗り換え案内あり。
  • 上野駅(東京メトロ銀座線・東京メトロ日比谷線)
  • 池袋駅(東京メトロ丸ノ内線・東京メトロ有楽町線・東京メトロ副都心線)
  • 新宿駅(東京メトロ丸ノ内線・都営地下鉄新宿線・都営地下鉄大江戸線)
  • 渋谷駅(東京メトロ銀座線・東京メトロ半蔵門線・東京メトロ副都心線)※地下駅として東急東横線・東急田園都市線
  • 品川駅(地下鉄なし)

品川駅を通る鉄道路線は、

  • 山手線
  • 京浜東北線
  • 東海道線
  • 上野東京ライン(高崎線・宇都宮線・常磐線)
  • 横須賀線・総武快速線
  • 東海道新幹線
  • 京急本線
  • リニア中央新幹線(将来:2027年度予定)

上記の路線になります。

品川駅は日本最初の鉄道駅の一つとして「新橋駅」「横浜駅」とともに設置された古くからの歴史もある駅ですが、意外と地下鉄の駅は今までありませんでした。

東京メトロ南北線の乗り入れがされると「品川駅に初の地下鉄駅が完成」することになります。

※2020年代後半に完成予定のリニア中央新幹線も東海道新幹線品川駅の地下に建設されています。

都営浅草線:高輪台駅には東京メトロ南北線の駅は設置されない

東京メトロ南北線:白金高輪駅から品川駅までの延伸計画は「都営地下鉄浅草線:高輪台駅」の近くを通るルートになっています。

高輪台駅の近くを通るのであれば、駅を設置して乗り換え駅とする案もありましたが、現状では高輪台駅には南北線の駅を設置する計画はありません。

品川駅周辺は大規模再開発計画が多い

品川駅周辺は京急とトヨタ自動車が共同で高輪口の「シナガワグース」の建て替えを中心に、品川駅高輪口一帯の再開発を行う計画があります。

品川駅高輪口で再開発工事中の「シナガワグース」跡地再開発情報となります。
2020年の品川駅高輪口:国道15号(第一京浜)
2022年現在は左奥のTKP会議室のビルは更地になっています。

また他にも多くの建築、駅施設の新設・整備など数多くの計画があります。

  • エキュート品川北改札内エリアの新設
  • 品川駅北改札(高輪ゲートウェイ方面との連携街づくり)
  • 京急本線の地平化
  • 品川駅高輪口に歩行者用デッキの整備
  • リニア中央新幹線の建設

これらの事業が品川駅周辺・駅構内で進行中です。

将来的に品川駅高輪口の景色が一変することになります。

東京メトロ南北線延伸の経済効果

現状、東海道新幹線で名古屋・大阪方面から、市ヶ谷・永田町・六本木方面の都心への移動には、東京駅で降り、JR在来線や地下鉄に2回は乗り換えるルートになりますが、南北線の品川駅が完成すると、これらの都心地域には「品川駅から乗り換えなし」で向かうことができます。

港区六本木交差点:日中夜間問わず人通りが絶えない

また品川駅は「東京メトロ南北線の終着駅」となる予定のため、始発駅として空いている電車に乗ることができます。

東海道新幹線での移動から東京都心までの移動負担が少なくなるメリットがあります。

延伸区間東京メトロ南北線:白金高輪駅〜品川駅
駅数2駅(白金高輪駅・品川駅)途中駅なし
事業費用800億円
輸送人数13.4万~14.3万人
費用便益比(B/C)2.5~3.1 ※目安は1以上
所要時間六本木〜品川 約11分(従来の半分)
日本経済新聞記事より

【都内の新地下鉄、事業性高い】日本経済新聞記事より

白金高輪駅から品川駅が繋がると、南北線全体の利便性が上がり、経済効果や地価上昇が見込めると考えられます。

人口が密集する東京だからこそ、新線の計画は大きな経済効果を生むことになり、今後も不動産開発や投資が活発になるものと思われます。

【不動産知識・勉強のためのリンク先】

東京都地下鉄新線計画

東京メトロでは地下鉄副都心線の開業を持って、新線の建設は行わないとされてきましたが、東京メトロ南北線の延伸計画とともに、東京メトロ有楽町線の延伸(豊洲〜住吉)計画も国土交通省から許可され、新線建設の準備が進んでいます。

他にも中央区・江東区でも新しい地下鉄建設が検討されています。

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