TX:つくばエクスプレス延伸計画:つくば駅より先の4ルート新線案「土浦駅ルートが最有力」

つくばエクスプレスは「秋葉原」を起点として、埼玉県八潮市・埼玉県三郷市・千葉県流山市・千葉県柏市・茨城県守谷市・茨城県つくば市までを結ぶ路線です。

元々常磐新線として計画をされていた首都圏の中でも比較的新しい路線になります。

先日の通り、現在つくば駅が終点となっておりますが、つくば駅から更に先の茨城県内に延伸させる計画があり、2022年に延伸調査検討事業を予算を組み、年度中に現状ある4ルート候補をまとめる予定となります。

【2023年3月31日の日本経済新聞の発表によるとJR土浦駅への延伸が最もコストが安い、採算が見込めるとの指標があり、JR土浦駅への延伸が有力とされています】

【日本経済新聞リンク:TX延伸先に土浦駅 事業費1400億円、人口14万人増も】

なお延伸開業予定時期は「2050年ごろ」とされています。

つくばエクスプレスの開通により沿線は宅地化が進み、現在首都圏でも屈指の人気の街が開発されています。

今後も都市開発や不動産開発・投資などが積極的に行われる路線になるため、注目が集まります。

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つくばエクスプレス(TX)とは

つくばエクスプレスは2005年8月24日に開業をした比較的新しい鉄道路線です。

正式名称は「常磐新線」と呼ばれ、JR常磐線と並行しているのが特徴です。

しかし、常磐新線という名称は一般的には全く使用されておらず、運営する首都圏新都市鉄道を含め「つくばエクスプレス」という名称に統一されています。

当初JRが運行する計画であったつくばエクスプレスは「第二常磐線」として計画され、茨城県南西部の発展を目的として建設されました。

また「混雑するJR常磐線のバイパス機能」「東京都心部と学園・研究都市つくばを短時間で結ぶ」ことを目的とし、つくばエクスプレスは新幹線同様に踏切が一切ない構造になっています。

つくばエクスプレス(TX)公式ホームページより
名称つくばエクスプレス(常磐新線)
運営会社首都圏新都市鉄道
起点・終点秋葉原駅〜つくば駅
駅数全20駅
列車種別普通・区間快速・通勤快速・快速
普通停車駅各駅
区間快速停車駅秋葉原・新御徒町・浅草・南千住・北千住・八潮・三郷中央・南流山
流山おおたかの森・柏の葉キャンパス・守谷・みらい平・みどりの・万博記念公園
研究学園・つくば
通勤快速秋葉原・新御徒町・浅草・南千住・北千住・六町・八潮・南流山
流山おおたかの森・柏の葉キャンパス・守谷・研究学園・つくば
通勤快速停車駅秋葉原・新御徒町・浅草・南千住・北千住・六町・八潮・南流山
流山おおたかの森・柏の葉キャンパス・守谷・研究学園・つくば
快速秋葉原・新御徒町・浅草・南千住・北千住・南流山・流山おおたかの森・守谷・つくば
所要時間(全線)普通57分・区間快速52分・通勤快速49分・快速45分

つくばより先4ルート案の延伸構想

2022年度に茨城県は「TX県内延伸調査検討事業」として1,800万円の予算を計上し、現在検討されている「4ルート案」でどの案が最も効果が期待できるのかを調査することになりました。

現状は「秋葉原からつくば」までを結ぶ58.3キロの鉄道路線ですが、つくばより先に延伸する構想は以前よりありました。

【延伸構想】

  • 筑波山方面
  • 水戸市方面
  • 茨城空港方面
  • 土浦市方面
茨城新聞・yahoo!ニュースより

これらの4つのルート案があり、どの方向への延伸が最も効果が高いのかを調査を行います。

つくば駅〜筑波山へのルート案

登山としても人気がある筑波山方面への延伸ルートです。

京王高尾線のように「高尾山への登山・観光ルート」として、筑波山の麓への延伸を検討する計画です。

筑波山を東京都心から誰でも気軽に行ける山として、沿線とともに活性化をさせる狙いがあります。

しかし、沿線人口は少なく定期的な鉄道需要が維持できるのかどうかが焦点のルートになります。

つくば駅〜水戸市方面への延伸案

茨城県への県都「水戸」への延伸案です。

水戸市は人口269,654人(約27万人※令和4年4月1日時点)の都市です。

つくば駅から水戸駅への距離は意外と長く、車では常磐自動車道経由で61.4キロ(※Google調べ)の距離があり、約1時間の時間が必要です。

つくば駅から水戸駅までのバスも出ておりますが、こちらは約1時間30分の時間が掛かります。

鉄道では一度「つくばエクスプレス:流山おおたかの森駅」まで移動を行い、「東武アーバンパークライン:柏駅」まで移動、そこからJR常磐線で水戸駅を目指すことになり、約1時間40分程度の時間が必要です。

上記のように、現状「つくば駅と水戸駅は同じ茨城県内でも移動に多くの時間が必要」となるため、このつくばエクスプレス線の構想があります。

課題は水戸駅までの距離がありすぎることで、建設費と時間が多く必要になること、水戸市までの途中の沿線自治体の人口が少なく採算が果たして合うのかという課題があります。

  • 石岡市:72,281人(令和4年4月1日時点 ※石岡市ホームページより)
  • 笠間市:72,259人(令和4年4月1日時点 ※笠間市ホームページより)

通るルートにもよりますが建設距離がある分、課題も多くありそうです。

つくば駅〜茨城空港まで延伸

3つ目は「つくば駅から茨城空港」までの延伸する構想です。

現状、茨城空港には鉄道がありません。茨城空港に向かうには「車かバスでの移動が必須です」

鉄道を茨城空港に接続させることで、茨城空港の利便性を一気に高める案となります。

課題は茨城空港までの鉄道ルートになり、「最短距離で茨城空港に向かうのか、JR土浦駅を経由するルートにするのか」意見が分かれています。

土浦駅を経由する形は人口が多く、乗り換えも期待できるため利用者は増えると予想されますが、土浦駅は人口・建物が集中しているため地下駅となる可能性が高く、建設費などの課題もあります。

つくば駅〜JR土浦駅までの延伸

4つ目はつくば駅からJR土浦駅までの延伸計画です。

JR土浦駅西口入口

最も距離が短く、茨城県内でも人口が多い土浦市の玄関口であるJR土浦駅への延伸は特に有効案の一つと言われています。

先述のとおり、地下駅となることが予想されるため、地下駅の建設費の課題がありますが、鉄道建設距離は短くて済みます。

またこのルートは将来的に「茨城空港方面」への延伸も行えるので、一旦土浦駅まで建設という案は有力なのかもしれません。

【茨城・土浦にTX延伸を:日本経済新聞へのリンク】

JR土浦駅西口の様子

延伸最有力は「土浦駅への延伸」延伸開業時期は2050年ごろ

2023年3月31日の各報道機関からの発表では、上記4案のうち、最も有力とされているつくばエクスプレスの延伸ルートは「JR常磐線:土浦駅」への延伸とされていることが発表されました。

理由は「最もコストが安く」「沿線利用者想定人口より採算性が合う」とされているからです。

概算事業費は約1400億円とされており、この延伸ルートが実現すると、JR土浦駅から東京方面へのルートが分散され、つくばエクスプレスはJR常磐線のバイパス機能を果たすことになります。

【日本経済新聞リンク:TX延伸先に土浦駅 事業費1400億円、人口14万人増も】

JR土浦駅からJR常磐線への乗り入れも検討

つくばエクスプレスの延伸計画は最も費用が安く効果が期待さえている「JR土浦駅」への延伸で決着がつきそうですが、つくばエクスプレス線からJR常磐線の乗り入れが可能とされています。

理由として、つくばエクスプレスとJR在来線の線路幅は「同じ」であり、構造上はつくばエクスプレスからJR常磐線への乗り入れは可能です。

つくばエクスプレスの乗り入れには当然JR常磐線の運行調整が必要ですので、どのような運行形態になるのか、本当に乗り入れが可能なのかは現状未定となります。

つくばエクスプレスは「東京駅」を起点駅としていた

つくばエクスプレスは元々新幹線・各種在来線・在来線特急が集まる東京駅まで、つくばエクスプレスを延伸したい構想があります。

しかし東京駅付近の地下が既にJR・東京メトロ・都営地下鉄などの他社線路が複雑に入り組んでおり、新たに東京駅の地下に駅を建設しようとすると予想以上の費用が掛かる課題がありました。

そのような事情があり、つくばエクスプレスは一旦東京駅までの乗り入れは諦め、東京駅よりJRで2駅北の山手線・京浜東北線・総武線各駅停車「秋葉原駅」を起点とすることにしました。

秋葉原駅の地下は東京駅ほど複雑になっておらず、山手線・京浜東北線・中央総武線・東京メトロ日比谷線、都営地下鉄新宿線「岩本町駅」も近くにあり、十分交通の要所となっている場所でしたので、つくばエクスプレスの始発駅とすることに決定した経緯があります。

一方、将来的に東京駅方面まで延伸される計画も残っており、引き続き延伸検討がされる予定です。

「銀座」「築地」「勝どき」「晴海」「豊洲市場」「国際展示場」を繋ぐ都心・臨海部地下鉄と直通運転構想がある

つくばエクスプレスは将来的に延伸し「東京駅」まで線路が繋がった際、更に銀座・勝どき・晴海を経て国際展示場まで行くルートの構想もあります。

東京都中央区が検討を行っている「都心・臨海地下鉄新線」が開通すれば、将来的につくばエクスプレスに乗り入れる可能性もあると言われています。

まだまだ構想段階の話になりますが、実現すればより東京都心・郊外の交通ネットワークが同時に充実します。

つくばエクスプレス秋葉原駅より延伸し、東京駅・銀座駅・臨海副都心方面に向かう計画です。

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