現在、JR品川駅東海道新幹線直下では「リニア中央新幹線」の工事が進行しております。
リニア中央新幹線は「限界の輸送量となっている東海道新幹線のバイパス」として計画され、2027年度にまずは「品川〜名古屋」の間で営業を開始する計画となっております。
完成すると品川駅〜名古屋駅間が最速40分と、現状の東海道新幹線より約1時間程度短縮することができます。
同じ東京都内の移動と「名古屋駅までの移動がほぼ同じになる」想像以上の効果がある鉄道計画となります。
このリニア中央新幹線が開通をすれば、東京と名古屋の経済圏が一緒になり、東京・名古屋の不動産開発・投資にも良い大きな影響が発生し、東京だけではなく名古屋・愛知県も今まで以上に発展のきっかけができることになります。
今後、両都市は再開発・都市開発を活発になり、不動産開発・投資の積極的になると思われます。
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JR東海:中央新幹線(リニア中央新幹線) 概要
中央本線「東京〜名古屋」のルートの新幹線となるため、中央新幹線との名称が付けられ、JR東海や各マスコミからは「超電導リニア」での建設を行うことから「リニア中央新幹線」の名称で呼ばれることが多いです。
鉄道路線名 | 中央新幹線(リニア中央新幹線) |
建設区間 | 品川駅〜名古屋駅(2027年度予定) 名古屋駅〜新大阪駅(2040年度予定) |
建設駅 | 品川駅・神奈川県駅(橋本駅)・山梨県駅(甲府市南部)・岐阜県駅(美乃坂本駅)・名古屋駅 |
列車種別 | 速達タイプ(品川駅〜名古屋駅ノンストップ:新幹線のぞみ号に相当)・各駅停車(新幹線こだま号に相当) |
着工 | 2014年12月17日 |
運行時期 | 品川駅〜名古屋駅(2027年度予定)※中央本線ルートで決定。 名古屋駅〜新大阪駅(2040年度予定)※関西本線(奈良県経由)ルートが有力 |
最高時速 | 505km/h(営業時最高時速) |
路線距離(実キロ) | 285.6 km |
複線区間 | 全線複線 |
最小曲線半径 | 8,000m |
車両基地 | 関東車両基地(仮称):神奈川県相模原市緑区鳥屋 中部総合車両基地(仮称):岐阜県中津川市千旦林 |
品川駅〜名古屋駅:移動時間短縮のインパクト「東京駅〜立川駅」の乗車時間とほぼ同じ
40分という移動時間は、東京駅からの在来線移動を行おうとすると「JR中央線:立川駅まで」「JR東海道本線:戸塚駅まで」の移動時間とほぼ同じです。
名古屋市内では「名古屋市営地下鉄東山線の起点(藤が丘駅)から終点(高畑駅)まで乗り通す時間とほぼ同じ」です。
「名古屋市内の地下鉄移動」と「リニアで品川駅から名古屋駅まで移動する時間がほぼ同じ」です。
東京都内・神奈川県横浜市内までの移動時間と、東京から現状の移動距離で300キロ以上離れた愛知県名古屋市とほぼ同じ時間で移動できるようになります。
現状でも、名古屋から東京まで仕事等の通勤は不可能ではありませんが、40分という移動時間は想像を超えるインパクトがあり「名古屋が東京の一部」になるという表現も大袈裟ではないのかもしれません。
東京では通勤時間に1時間30分、長い移動の方では2時間掛けて移動されている方もいるため、首都圏に住んでいる人より、東京駅に移動するには将来「名古屋駅」の方が便利になります。
東京・名古屋のストロー現象の懸念はほとんどない
リニア中央新幹線が完成し、東京(品川)と名古屋が40分前後で移動ができるようになると、名古屋の産業基盤が東京に持って行かれてしまう「ストロー現象」を懸念する意見があります。
しかし実際には東京は「経済・文化・商業」の中心の日本最大の都市であり首都です。
名古屋は「日本の企業で最も時価総額が高いトヨタ自動車を中心とした産業都市」であり中部地方最大の都市です。
両都市は街の産業構造が大きく異なるため、実際にはストロー現象が起きるのではなく、両都市の特性を活かしあえると考えています。
このため、両都市が短時間で結ばれるとより活発的な不動産開発や不動産投資が行われていくと考えられています。
リニア中央新幹線の静岡県内建設問題
静岡県内を通るルートは、山岳地帯のため駅を設けずに通過をするだけのルートになり、駅は設置されません。
そのため静岡県内に直接的なメリットは少なく、工事に難色を示していることから、静岡県内の工事が進んでいません。(2022年5月時点)
またリニア工事により、静岡県を流れる大井川の水量が減る可能性を懸念しており、着工を許可しない姿勢を崩していません。
ほか建設工事には山脈を貫く長大なトンネル、大深度地下での建設、品川駅・名古屋駅での都市部既存駅を運営しながらのリニアの駅建設など、多くの課題があります。
工期が延期になる可能性は、静岡県の問題がなくても以前より言われておりました。
2027年の開業は間に合わないという大方の見込みですが、できるだけ早く開通してほしいと望んでいる方は多いのではないでしょうか。
東京・名古屋の都市開発・再開発ラッシュ
【東京:品川駅周辺】
東京駅・リニアの起点駅となる品川駅では、東京都内の中でも特に再開発事業・計画が進んでおります。
品川駅周辺では、
- 京急線の地上駅化
- 鉄道新線(東京メトロ南北線)の乗り入れ決定・建設
- 品川駅高輪口一帯の再開発計画(シナガワグース跡地再開発など)
- 品川駅北側:高輪ゲートウェイ駅・高輪ゲートウェイシティの街開き
などの計画が計画・建設中です。
また「東海道・山陽新幹線」「東北・上越・北海道・北陸・山形・秋田新幹線」の起点である日本の中心駅「東京駅周辺でも多くの大規模最開発ビル建設・計画」が進んでいます。
品川駅周辺の再開発は建物の老朽化・省エネ対策もありますが、将来のリニア中央新幹線開通後の影響で、多くの人の流れが見込めるため、リニア中央新幹線の開通を見据え超高層ビル・駅前広場の整備などの再開発を行います。
【名古屋市内・名古屋駅周辺】
東京は常に再開発・施設建設は活発に行われていますが、名古屋市内でも東京と密接になる期待感もあり、多くの開発が行われています。
特にリニア中央新幹線・東海道新幹線が乗り入れる「名古屋駅」・名古屋最大の繁華街「地下鉄栄駅周辺」では、高層ビル建設・駅からほど近い場所に大規模タワーマンションなどの建設を始めております。
東京都内だけでなく、名古屋市内でもリニア開通の備え大規模再開発が進行・完了しています。
- 名古屋駅桜通口・太閤通口:リニア・在来線乗り換え口「ターミナルスクエア」の整備
- 名古屋鉄道本社建て替え・再開発
- 名古屋駅南高層タワーマンション「NAGOYA THE TOWER」
- ノリタケの森再開発「イオンNAGOYA Noritake Garden」
リニア中央新幹線による高速移動のインパクトは想像以上に経済影響力があり、名古屋に暮らしながら東京の会社に出勤する人たちも今後増える可能性があります。
不動産開発・投資にも大きく影響を与えるため、今後の発展がとても楽しみです。
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